
「脳の左側で描け」という本はありませんが、、「脳の右側で描け」(ベティ エドワーズ/著)
私:「物は、遠くへ行くほど小さくなって見えなくなるじゃん。」
母:「うんうん、そういう風景画みたいなの描きたいのよ。」
私:「ビルみたいに大きなものだとよくわかるけど。
実際には同じ面積の壁も、紙に描いた場合は、手前に見える壁より向こうの壁の方が小さくなるよね。
小さいコップでも、その理論があてはまるんよ。
aよりbが長いし、AよりBの方が長い。aよりAは長いし、bよりBは長い。
このことに気をつけて白いコップを描いてください。」
この描き方は、美大受験の予備校などで教えられている理論です。
モチーフは、白いコップ。
私:「陰影もつけてね。」
母:「中心を決めた方がいいよね。」
私:「うん、中心線や補助線、平行線も描いた方がいいよ。」
母は、黙々と描き始めましたが、これが以外と難しかったようです。
モチーフに使ったコップが、円柱ではなく、飲み口より底が小さかったせいもあるかもしれません。
どうしても、bよりBが短くなってしまうのです。
描き直しても、同じ結果になりました。
ですので、少し迷いましたが、私が手を加えることにしました。
私が絵を描き始めた頃、先生が直してくれたのを思い出したからです。
中心線が曲がっていたので、修正。
中心線は見えませんが、これが曲がると全体に影響します。
定規を使って描くように真っすぐに描いてください。
それから、鉛筆を使って、図の緑の長さが同じかどうかを計り、違っていたので修正。
コップの縦と横の比率も違っていたので、修正しました。
私:「コップの縦と横の比率は、横より縦の方が長いという固定概念があるから、実際よりすごく長く描いちゃったみたいだよ。
こういう時は、測るといいよ。
測り方は、今見ている位置で、腕をのばして鉛筆を持ち、片目をつむって測ります。
その時、目線は固定してください。
腕は肘をのばしたまま動かして測ります。
鉛筆の長さを元にして、横の長さが1だとすると、縦幅の長さはその3倍くらいだというふうに。」
母に「計って。」というと実際のコップにふれて、コップの長さを測っていましたが、コップには触らずに目に見えるサイズを測ってください。
楕円の縦の長さとコップ全体の長さも違っていたので修正しました。
これも測るといいです。
楕円の縦の長さを1とすると、コップ全体の縦の長さは、その7倍くらいだというふうに。
描いてみて、ちょっと変だなと思ったら、自分の目を疑って、とにかく測るといいです。
「こんなに短いんだ。こんなに長いんだ。」
とびっくりすると思います。
例えば、コップの本当の長さは、横5センチ、縦10センチとします。
そうすると、比率は横:縦の比率は、1:2ですが、それを絵に描いたとき1:2になるのは、コップを真横から見たときのみです。
真上から見ると1:0になります。
絵に書くコップの縦の長さは、真上に近くなればなるほど短くなるのです。
3次元だとわかりづらいですが、写真に撮って2次元にするとわかりやすいかもしれません。
コップの真上に近い所から写真を撮ると、縦の長さはすごく短くなりますよね。
このような点に注意して描いてください。